December 05, 2004

◆『地球を殺すな! 環境破壊大国・日本』発刊

 『地球を殺すな! 環境破壊大国・日本』風媒社 定価(本体2400円+税)。
 著者 伊藤 孝司(フォトジャーナリスト)Web Page伊藤孝司の仕事
 この数年、ロシア・台湾・フィリピン・インドネシア・オーストラリア・マーシャル諸島・ツバルなどを駆け回り、日本が大きく関わる環境破壊を取材しました。
 ロシア極東のシベリアに果てしなく広がるタイガ。そこで暮らすウデゲなど先住民族の生活が脅かされています。無秩序な伐採の横行によって、タイガが危機にひんしているのです。その木材の多くを輸入しているのは、日本や中国などです。
 台湾で「第4原発」の建設が進んでいます。住民たちだけでなく、建設現場内に祖先の遺跡が数多く残る先住民族・ケタガランの人たちも強く反対してきました。この原発は、日本による初の原発輸出として建設されているのです。
 フィリピンでは、アジアでも最大級のサンロケダムの建設が先住民族・イバロイの暮らす土地において建設されました。建設資金は、日本の私たちが出した郵便貯金や国民年金といった財政投融資なのです。
 インドネシアでは、日本のODAによって最悪のダムが建設されました。被害を受けた8000人以上もの住民が、融資した日本の責任を問うために裁判を起こしました。またインドネシアからは、違法伐採も含む再生不可能な伐採による木材で作った格安のコピー用紙が日本へ大量に入って来ています。
 オーストラリア北部のカカドゥ国立公園は、ユネスコの「世界自然・文化遺産」に登録されています。その中で、土地所有者のアボリジニーたちが反対しているにもかかわらず、日本の原子力発電所で使うウランを採掘するための鉱山が操業しています。
 ツバルやマーシャル諸島などのサンゴ礁でできた海抜が低い島々は、地球温暖化による海面上昇で被害を受け始めています。日本や米国などの先進国が排出する二酸化炭素などによって、小さな島国が海に沈もうとしています。
 これらの取材を多くの雑誌とテレビで発表しました。それに最新情報を加筆したものを風媒社から『地球を殺すな! 環境破壊大国・日本』として刊行しました。カラー写真が満載です。
書店にない場合は風媒社(info@fubaisha.com、052-331-0008)へご注文ください。定価(本体2400円+税)。
 <目次より>
第1章 ODAで建設された最悪のダム◎インドネシア
第2章 郵貯・年金で建設された巨大ダム◎フィリピン
第3章 原発輸出という第2の侵略◎台湾
第4章 世界遺産を破壊するウラン鉱山◎オーストラリア
第5章 大量消費される熱帯林◎インドネシア
第6章 伐りつくされるシベリア大森林◎ロシア
第7章 地球温暖化で沈む国々◎ツバル・マーシャル諸島

伊藤孝司のホームページもご覧下さい。

12:42:01 | harurin | comments(0) | TrackBacks

◆建造当時の第十堰が現れる

姫野雅義の吉野川日記曰く「久しぶりに第十堰が2日付け徳島新聞夕刊の1面トップで大きく取り上げられた。」ということで、徳島新聞によりますと「今年相次いだ台風の大雨で、吉野川第十堰(ぜき)の「上堰」を覆っていた土砂や雑草が流され、明治初期の建造当時の姿を残した青石による石組みが露出したことが分かった。露出したのは約三十年ぶりとみられている。堰の保全を求めているNPO法人「吉野川みんなの会」の山下信良代表理事は「歴史的にも技術的にも貴重。この機会に多くの人に見てほしい」としている。」との事です。
やたら、新しいダムや堰を推進するだけでなく、こういった先人の知恵から学ぶことにより、本当の意味での環境と共存可能な治水を考えて頂きたいものです。姫野雅義の吉野川日記も必読です。

12:29:35 | harurin | comments(0) | TrackBacks