March 18, 2005

◆日本生態学会 自由集会のご案内

・第52回 日本生態学会 大阪大会 におきまして、アユモドキをテーマに、希少淡水魚の生息地での現状と保護の実情についての自由集会を行います。
生態学会の自由集会は会員以外の方の参加も自由です。我が国における希少淡水魚の現状、また、水田等一時的止水域の諸問題について関心がおありの方の参加をお持ちしております。

アユモドキ自由集会世話人 新村拝

日時:2005年3月30日 1730〜2000
会場:日本生態学会大阪大会 B会場
 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
   〒530-0005 大阪市北区中之島5−3−51
   TEL: 06-4803-5555(代表)/ FAX: 06-4803-5620
   会場 HP http://www.gco.co.jp/
   日本生態学会大阪大会 公式HP http://jes52.cool.ne.jp/

自由集会タイトル

アユモドキにみる希少種保護の現状と課題、
ー生息地の保全・系統保存の現状を巡ってー

開催趣旨

 レッドデーターブックに記載されている生物は、瀬戸際のところでその種の存亡を掛けて生きている。何らかの保護策が講じられている生物にしてもほんの小さな偶然がその種、あるいは個体群の存在を抹殺する可能性は常にあるのだ。

アユモドキLeptobotia curta (Temminck and Schlegel, 1846)は、文化財保護法(天然記念物「地域定めず」)、種の保全法(国内希少野生動植物種)指定種として我が国の淡水魚のなかでももっとも丁重に保護の対象とされてきた種である。しかしながら、現在確認されている生息地は、岡山県の2水系と淀川水系のごく一部地域に過ぎない。

 アユモドキの生息条件は、人間の水田耕作という行為と深く結びついている。水田への湛水・耕作という季節的な営みが、本種の繁殖様式を保証してきた。淀川水系の本種についてみると、生息が確認されている水田地帯は、今日まで、たまたま大規模な圃場整備事業は行われてこなかった。幸運な偶然は利便性の高い土地と治水上の問題であった。アユモドキの利用する水田は鉄道駅に接している。市街地開発をにらんで積極的な圃場整備をされなかった場所であった。土地としてみた場合その価値は高いが、たびたび冠水することから開発には不向き、しかし、上流にダムが造られたことから、治水上の制約が少なくなった。そして、その土地は、水田としてではなく駅近くの有用な土地として、大きく変容しようとしている。 
 アユモドキをテーマに、水田域の生態環境の変容と希少種の生存要因、また、生息地保全のあり方、系統保存の現状について検証します。

趣旨説明

新村安雄 (アユモドキ自由集会世話人 :フォト・エコロジスト、サツキマス研究会)

講演者
1. 岩田明久(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)亀岡地域におけるアユモドキ個体群の現状
2. 斉藤憲治 (独立行政法人  水産総合研究センター) ※講演取り消し
保津川水系(八木町)のアユモドキの今昔 
※ 講演内容については、趣旨説明の中で新村が概要を説明し、現状については服部が補完します。
3. 上原一彦(大阪府 水生生物センター)
アユモドキの系統保存の現状と淀川水系分布域の変遷について
4. 阿部 司:滋賀県立大学大学院 環境科学研究科  
岡山(吉井川水系)のアユモドキの現状と保護活動
○生息地から報告
八木町のアユモドキ      八木町      服部博司
岡山県 旭川水系の保護事例  岡山淡水魚研究会 青 雅一
◇コメンテーター
川那部浩哉 琵琶湖博物館
小林光 (財)自然環境研究センター
木村英造 元(財)淡水魚保護協会理事長


Posted by harurin at 05:35 P | from category: NGO | TrackBacks
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