October 12, 2004

◆ノーベル平和賞、議論を呼ぶ「環境」受賞−関係者「原点から離れる」

ノーベル平和賞、議論を呼ぶ「環境」受賞−関係者「原点から離れる」
 ケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイ氏(64)へのノーベル平和賞授与の決定がノルウェー国内で論議を呼んでいる。地球環境を守り、人類が安心して暮らせる世界の構築が平和につながると称賛する意見がある一方、平和賞の意味を損なうとの批判もある。「環境」まで対象を広げた今回の受賞の評価が定まるには時間がかかりそうだ。

【水後山にて】
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 ノーベル賞委員会が平和賞の範囲を広げる方針を示したのは、ノーベル賞創設百周年の二〇〇一年。環境問題専門家だけでなく、ロック歌手やジャーナリストも対象になることを示唆していた。
 今回の決定について環境保護団体などは「地球環境の保護と世界の安全保障が密接に結び付いていることへの理解が世界的に深まりつつある証し」とマータイ氏の受賞を素直に喜ぶ。地球温暖化で海面が上昇したり、砂漠化が進むと人類が居住できる場所が限られ、領土紛争が起きかねないとの考えが背景にある。
 しかし、当惑が広がっているのも確か。ノルウェーの野党進歩党のハーゲン党首は「経済学の教授に、化学賞を授与するようなもの」とノーベル賞の歴史に対する“裏切り”との見方を示した。
 ノルウェー国際問題研究所のエイデ研究員は「“平和”の概念を広くとらえることは悪くない。だが、平和賞の原点からかけ離れすぎると、賞の意味が薄れる」と疑問を投げかけている。
(詳細は中日新聞ホームページで)
Posted by harurin at 12:47 P | from category: 環境ニュース | TrackBacks
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